【陰陽五行論塾】2021年2月の動向

春分を迎え、いよいよ辛丑年の始まりとなりました。
2月2日の春分は124年ぶり!
この瞬間に立ち会えることが奇跡であり、意味がありますね。
切り替えの時期は運気が乱れやすいので、
焦らず丁寧な生き方を心がけてまいりましょう。

今月はとりわけ自己研鑽に最適な期間です。
宿命の総合エネルギーを燃焼しきるために必死で刹那を生きる皆様の、
お力添えになりたいとの一心で、今月の動向をお届けいたします。


今月(2/3~3/4)は庚寅月です。


金性で陽の十干「庚(こうきん)」と、
木性で陽の十二支「寅(とらぼく)」が
組み合わさった干支です。

庚は鉄剛金、岩石、刀などを表し、
寅は初春の樹木を表します。

そのため、庚寅は春の岩石、
それも切り株の上にのった大きな岩というイメージです。

庚寅月のポイントは以下の通りです。

 

◆ピンチの後にチャンスあり


庚寅月は、聡明さが際立つ月となりますが、不安定さも表出します。

不安定の中にあって、
いかに生きていくかがポイントといえるでしょう。

切り株の上に大きな岩が乗っている状態から想像される通り、
樹木として真っすぐに伸びていくことができず、
自然不安定な運気となります。

この学問では、不安定は悪いことではなく、
ただ不安定なだけであると説いています。

良い・悪いの二項対立ではない価値基準を持つことが大切です。

二輪車は三輪車より不安定ですが、スピードは速いのです。


しかし、庚寅月は不安定な状況ではあるのですが、
どんなに葛藤しても、どんなに追い詰められても、
最後に活路を見出せるという特徴があります。

地獄の中にあっても、救いの手が差し伸べられるのです。


もしも、幸いにして辛い体験をすることができたとしたら、
その先には、自分の枠を超えた者だけが見る景色を目にすることでしょう。


だからこそ、不安定な状況下では立ち止まって考えこんではいけません。
不安定さが怖くなり、心配が増すだけです。

すばやく決断して、動き続けることこそが安定を生みます。

とはいっても、失敗は怖く、痛みは避けたいものだと思います。
であるならば、生きる上でのバランス感覚を意識してみてください。

ここでいうバランスとは、仁・義・礼・智・信の五徳です。

大きな愛情をもって、義を貫き、礼節を重んじ、叡智に触れることで、
魅力を放つ在り方を探究していく。

不安定な環境ゆえの豊かさをともに味わってまいりましょう。

 

◆自立と自律


今月は、自分の夢を追い求めたり、
自分の理想を築き上げたくなる月です。

それ自体はとても素敵なことですが、
現実的な壁に直面すると、悩みや苦しみが生まれます。

夢を語る時に障害となるもの、
特に自身の欠点や負の部分は見たくないものですが、
どんな自分でも、どんな状況でも、
事実として受け容れることが肝要です。

前段では考えこむよりも動くべきとお伝えしましたが、
しっかり現実に立脚しているかどうかを見なくてよい、
理想の実現と今の自分との間に
どれだけギャップがあるかを認識しなくてよい、
と言っているのではありません。


夢を語るなら、一人の人間として精神的・経済的な自立も成しましょう。

目の前の方の力になるにも、まだ見ぬ誰かに寄り添うにも、
他ならぬ自分が自分を信じ、地に足つけて立つ必要があるはずです。


自立できている人は、得てして自分を律することができていますが、
仮に自立できていなかったとしても、自律することはできます。

自律とは、自分で決めたルールの中で生きることでも、
まして我慢することでもありません。

他者に肯定的な影響力を与えるために、
世に新しい価値を創り出すために、
ものごとの本質に辿り着くために、
極みを見るために、
主体的に自己を鍛え上げる過程なのではないでしょうか。

自立と自律によって語られる夢は、
多くの人の心に希望の灯をともしていくことでしょう。

 

◆鋭さと靭性(じんせい)を持つ刀となれ


庚寅月は、その場で何でもできてしまう聡明さと器用さが発揮されますが、
求められていない状態でやってしまうと、
たとえその場はうまくいったとしても、
結果ボロボロになってしまいます。

他者のお役に立つ意識は常に持っているべきですが、
他者に手を貸す前に、まずは自己研鑽のためにエネルギーを使いましょう。


人を手助けしないとか、
自分本位になるということではもちろんなく、
自己をとことん錬磨する姿を見せることで語る、ということです。


それは、刀鍛冶がすぐれた日本刀を生み出すために、
鋼を熱し、叩き、折り返し鍛錬を重ねることで不純物を取り除くが如く、
我々もまた己を律し筋義徳を通すことで、エゴという不純物を叩き出し、
鋭さと硬さと粘り強さ(靭性)を帯びた一振りの刀となるのです。


天のエネルギーを宿す刀が切り開くのは、
自己の鬱屈した見方であり弱さです。

どんなに不安定な状態に陥っても、自己の本分と覚悟し、
今この一瞬に全力を注ぐことが、庚寅月に沿った生き方と読み解けます。


新しい年の幕開け、ともに刹那を生きてまいりましょう!
以上、庚寅月のみで見たポイントです。

ご自身の天中殺や運気など、
個人の宿命によってテーマは変わってきますが、
これらを心に置いてよりよい在り方を探究していただけますと幸いです。

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